第36回近畿作業療法学会の開催にあたって
第36回近畿作業療法学会
学会長川 雅弘
第36回近畿作業療法学会は、平成28年11月13日(日)、和歌山城下町に位置する和歌山県民文化会館にて開催いたします。本学会の開催にあたり各士会員ならびに関係諸団体の皆様には多大なご支援を賜り心より感謝申し上げます。 本学会のテーマは、「つなぐ、伝える、生活を支える作業療法士の視点」です。対象者の生活を捉えるとき、その人が住み慣れた地域で、生きがいを持ちながら楽しく豊かに過ごすことができるかを、その人を取り巻く環境や作業活動からアセスメントすることはとても重要です。ADL・IADLの自立を困難にする要因を抽出できる視点、それらの要因を解決していくためのプログラムを予後予測に則して立案できる知識と経験、そして実行していくことができる技術、これらの能力を備えているのは作業療法士であり、魅力的な存在であると感じます。
今回、作業療法士の「視点」をはじめとする能力を、対象者に関わる全ての人々につなぎ(連携し)、伝えていく(助言、共有する、申し送る)大切さを実感していただきたいと考えています。基調講演では、(株)ライフリー 佐藤孝臣氏(日本作業療法士協会理事)に、今、作業療法士を取り巻くトピックスである、地域包括ケアシステムでの作業療法士への期待を、我々が地域の関係者につなぎ、伝えるべきことや役割も交えながらご講演いただきます。 また、分野別での講演では、作業療法士の視点から繰り広がる「作業療法の可能性」について、各領域でご活躍されている方々にご講演いただきます。
一般演題は口述演題40題、ポスター演題20題を予定しており、意見交換を通じて学べる場となり、明日からの実践に寄与できるようにと考えています。
最後に、今年は日本作業療法士協会が職能団体設立50周年を迎える年となります。本学会で学んでいただいた経験をもとに、今後、皆様の活躍により作業療法が実践できる職域が拡がり、次の世代へとつながり、作業療法の魅力を伝えていけるきっかけになればと思っています。
それでは、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。